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FXにおける建玉の手仕舞い方法 その2
前回の記事でポジションは分割で手仕舞いした方が良いという事を書きました。
具体的にどう手仕舞いするのか。
私はだいたい2通りのパターンがあって、1つは“スイング寄りな手仕舞い”、もう1つは“デイトレ寄りな手仕舞い”のどちらかを使い分けています。
といってもやる事自体は大きく変わるわけではありません。

まずスイング寄りな手仕舞いについて。
これはスイングトレード全般や、デイトレードでトレンドの強い相場付きで採用する利食いパターンです。
このパターンはポジションを次のように考えます。

玉の5割は利益を追求するポジション。
残りの5割は上記の5割の玉の利益を引っ張る為のポジション。

まず仕掛けをした後に多いパターンはどういうケースでしょうか?

私の場合、
・殆ど思った方向に行かずそのまま損切りになってしまうケース
・少しは思った方向に行くものの結局損切りになってしまうケース

こういうケースが圧倒的に多いのです。
前者の場合はどうしようもありません。
そのまま損切りするのみです。
しかし後者のパターンが厄介なのですね。
少し思った方向に行ったので負けないようにと残りのストップを同値に変更する。
そうすると損切りになっていた場合はチャラになるのでOKなのですが、同値で振り落とされた後に思った方向にグーンと伸びるというケースも出てくるのです。
かといって最初のストップのまま粘った時に限って損切りとなり、「しまった!同値で返済すべきだった!」などと後悔するのですね(笑)

この後者のパターンがどう転んでも良いように最初に述べた“5割の利益を引っ張る為のポジション”を使うのです。(ロスカット幅が大きい時は6割となることもあります)
この5割のポジションを損切り幅の1倍~3分の2程度の値幅で利食いしてしまうのです。
例えば損切り幅が20pips程度ならば20pipsで半分を利食い出来れば残りはロスカットになっても引き分けです。
損切り幅が30pipsある場合、この5割の利食いを30pipsに指すとかなり時間がかかることが多くストレスが溜まるので20pips程度でもいいでしょう。
+20pipsで5割を利食い出来れば残りは30pipsで損切りになっても1枚あたりの損失は5pips程度で抑えることができます。
これは当初の損失想定額の6分の1程度なので小さな損失で済ますことができます。

残りの5割は、1割を損切り幅×2の値幅で利食い、1割を損切り幅×3の値幅で利食い、1割を損切り幅×4の値幅で利食い、最後の2割はトレイリングストップ(私は1割を浅めのトレイリングストップ、1割を深めのトレイリングストップにすることが多いです)といった感じです。
機械的に30pips刻みにしたり50pips刻みにしたりするのも良いでしょう。(損切り幅とどの時間軸の波を狙うかによって利食い幅は変わります)
どういう比率で手仕舞いすると1枚あたりの平均pipsがどれくらいになるのかはエクセルで簡単に計算できます。
私の場合以下のようなグラフでシミュレーションしています。
例えば100枚でエントリーした場合を見てみましょうか。(図では損切り幅15~20pips程度を想定していますがスイングは損切り幅が30pipsを超えることは多くあります。その場合は利食い幅を調整です)

2021-0501-b.png

枚数とpipsを入力すれば最終的に1枚あたりのpips数が出てきます。
エクセルは素人ですが簡単な計算式で求められます。
トレイリングストップで引っ張る2割はその時によって全然違うので、これまでの売買データを振り返ってトレイリングストップした場合の平均pipsなどを求めて適当に入力すれば良いでしょう。

損失に対する利益の見込みは、利益2:損失1以上が理想ですが、いつも思惑通りに行かないので利益1.5:損失1でも良いでしょう。(勝率にもよります)
色々シミュレーションしてみてください。
ただし完璧を求めるとドツボにハマります。
通常だと非常に難しい利食いを適当にやってもなんとかなるよう分割で手仕舞うのですから、トータルで利益が残る、安定性が高まるという2点を重視してください。

この手仕舞い方は持越し前提で大きな値幅を狙うスイングトレードに向いています。
スイングトレードは時間軸が長くなる分ノイズの値幅も大きくなるのでストップがタイトだったりトレイリングストップの引き上げが早すぎると振り落とされることが多いのです。
また、振り落とされた後に寝ている時間で再仕掛けが出来ないという事もありえるでしょう。
ですから最初の利食いさえ出来れば残りは最初に決めたストップのままにしていても引き分けか軽微な損失で終わらすことが出来るという状態にする手仕舞い方となります。(すぐストップを引き上げたりすると寝ている最中に振り落とされた後に思った方向に行ったりすること多いので)

つまりトレンドに乗っかるスイングトレードにうってつけの手仕舞い方でもあり、デイトレベースでも非常に強いトレンドが出ている時で含み益ならば持ち越したい場合もこの手仕舞い方が有効になることがあります。
この手仕舞い方だと“少しは思った方向に行くものの結局損切りになってしまうケース”が損失でなく引き分けか軽微な損失に収まるので長い目で見れば勝率を上昇させドローダウンを減らすことができます。
また、分割だとこの“少しは思った方向に行くものの結局損切りになってしまうケース”で同値決済した後に思った方向に行って悔しい思いをすることもなくなります。
見込める値幅が大きいので機会損失を出したくないスイングトレード、トレンドが強い時のデイトレ向けというわけです。

ちなみに最初の利食いまで時間がかかりすぎたり横ばいになってしまったりしてタイムストップなど途中撤退する場合は4割を手仕舞います。
その後順行した場合は1割を最初の利食いとして残り5割は1割ずつに分け当初の予定通り損切り幅の倍数分くらい大きな値幅を狙っていきます。
5割は“利益を追求するポジション”なので期待値をなるべく減らさないよう利食い幅を変に狭めたりしません。
その場合最初の1割の利食いで残りがロスカットになっても引き分けという状態は諦めることとなりますが、それでも最初の予定の損失よりは軽減されていると思います。
スイングの場合大きい動きを逃して期待値を減らしたくないので5割の“利益を追求するポジション”はあくまで大きい値幅を狙います。


次はデイトレ寄りな手仕舞いについて。
これもやることはそう変わりません。
ただし狙う値幅がスイングと違ってきます。
例えばGBP/JPYの場合2012年くらいからの統計だと1日の値幅は平均値や中央値を考慮すると130~150pips程度です。(金融商品ごとにMT4で日足のエクセルデータをダウンロードして計算すればすぐわかります)
デイトレでその日の値幅全部を取ることなど不可能ですから、3分の1程度、40~50pipsくらい取れれば大成功でしょう。
15分足ベースの波もだいたい50~60pips程度です。(1時間足だと120~150pips程度ありますが)
ターゲットを50pips程度と割り切り、玉の大半を+10~50pips程度で利食いしてしまう利食いの仕方をします。
スイングみたいに最初の半分を15pipsで手仕舞うとターゲット値幅が狭いデイトレでは平均獲得pipsが結構下がってしまうので、最初の利食いは2割にしましょうか。
そして最初の利食い幅を損切り幅15pipsの3分の2にして+10pipsで利食いとします。
例えば+10pipsで2割、+20pipsで2割、この段階で4割を損切り幅15pips分で利食いしたことになります。続いて+30pipsで2割、+45pipsで2割、1割はテクニカル的なターゲットイグジットで60~80pips程度、残り1割はトレイリングストップといった感じです。
デイトレだとロスカット幅を小さく済ませられることが多いので、仮にロスカット幅15pipsでこのように手仕舞えれば利益2:損失1以上になることもあります。
100枚でエントリーした場合の想定利益を見てみましょうか。

2021-0501-b2.png

順調に+60pipsまで行けば損切り幅15pipsの2倍程度の利益は出ます。
1時間足ベース以上の大きな波に乗れた場合は+100pips以上の含み益に行くこともあります。
そういう場合はトレイリングストップ用の1割を更に5分割にするなどして+80pips、+100pips、+120pipsというように利食いしてもOKでしょう。(50枚以上でエントリーしていれば可能です。決済の自由度が上がる分発注の単元は多い方が良いので1万通貨単位でしか発注できない業者より1000通貨単位で発注可能な業者が良いでしょう)

仮に+10pipsで2割、+20pipsで2割利食いした後建値に戻った場合3割を同値で決済すれば残り3割はロスカットでも引き分けです。
また、+10pipsで2割利食いした後思うように順行せず逆行し、テクニカル的な要素(ローソク足の切り下げなど)で、2割を同値付近で決済、残り6割が▲15pipsになった場合は最初予定していた損失の半分程度で済みます。

これらのケース(1~2回程度の利食い→同値で一部手仕舞い)で、同値で一部手仕舞いした後順行してグーンと伸びる場合では、途中で落とされた分の利益が無くなってしまうので期待値は減ってしまいます。
スイングでこういうパターンになると後で取れる分の利益が大きく減ってしまい「同値で決済しなければ良かったな~」となってしまうので、スイングの場合は玉の半分(もしくは6割でもいいですよ)を最初の利食いで手仕舞いして残りを同値で手仕舞わなくてもいいようにするのです。
しかしデイトレの場合は最初から手堅く50pips程度順行が目標なので、このように同値で一部落とされてしまってもそんなに痛くないのではないでしょうか?
そこはお好みで良いと思います。
デイトレでも半分手仕舞いしてしまい残りは同値で切らない方が良い結果が出るというデータがあればそれを採用しても良いと思います。
要するに引き分けに持ち込むことを重視するのか、それとも軽微な損失を積極的に受け入れて利益を追求することを重視するのかということですね。
自由度が高いのでそれは各自判断するしかありません。

ちなみに同値決済と書きましたが、私は同値での手仕舞いがテクニカル的な要素が無いので好きではありません。(特に抵抗を上抜いて買った場合などは同値まで落ちてきたらそこが支持抵抗逆転する事が多いので、綺麗に同値で落とされた後思った方向に行くことが多い気がする)
あくまでテクニカル的な要素(ローソク足切り下げ)などで同値付近というケースが多いので、ここでは便宜上同値と書いていますのでご注意を。

余談ですが、私のようにポジションを5分割にすると発注は結構面倒になります。(もしJFX、ヒロセ通商、外為どっとコムの決済が重複して出せるトレードツールがなければ5分割で細々と決済する方法は非常に面倒なのでもう少し簡素にすると思います)
ですから最初の+10pips2割、+20pips2割を合体して+15pipsで4割にしてしまっても良いのです。
実は以前は私もそのようにしていました。
しかし私が損切りになったトレードを分析してみると最大順行幅が10pips以上15pips未満というケースは結構あったのですが、15pips以上20pips未満というケースが案外少なかったのです。
つまり最初の利食いを10pipsにしてしまえば勝率がかなり改善するということです。
いや、勝率というより一度も利食いにならずに損切りになってしまうというトレードを減らすことができるということです。
しかし15pips~20pipsが通常の損切り幅なのに4割も+10pipsで利食いしてしまうと損失に対する利益の期待値が減ってしまうので10pipsの分は2割で済ます対応です。
分割だと利食い幅は自由度が高いので自分のトレードを分析してお好みの設定を確立していくと良いと思います。

ちなみに5分足のような短い時間軸を使ってエントリーする場合はロスカット幅が15pips以下なんてことも結構あるので、その場合最初に4割を10pipsで利食いしてしまうこともあります。
逆にハイボラ相場や1時間足ベースの押し目買いなんかだと20pips刻みや30pips刻みで利食いすることもあります。
ロスカット幅に見合った利食い幅を調整できるのも裁量トレードの良いところです。


まとめると、
スイング寄りな手仕舞いは最初に半分薄利で手仕舞う事により、残りはノイズで落とされない状態・ロスカットになっても引き分けか軽微な損失で抑えられる状態にし、大きい値幅を徹底的に追求するスタイル
デイトレ寄りな手仕舞いは手堅く50~60pipsを目標にするが毎回そこまで順行するかはわからないので小刻みに利食いし結果的に平均+20~30pips程度を取りに行くスタイル
といった感じでしょうか。

まあやることはそんなに変わりません。
小刻みに利食いすることにより前回の記事にも書いたように、“どんな結果になってもそこそこ納得いく結果となる”ということです。
エントリー後どうなるかは誰にもわかりませんしあらゆるパターンがあります。
どんなパターンになっても収益をまあまあ安定させられるよう分割で手仕舞うのでした。

これを応用して、全ての玉を分割でトレイリングストップにできないかと考えたこともあります。
先述したような機械的に〇〇pips刻みで利食いするのではなく、例えば玉の4割は順行後に凄く浅めのトレイリングストップ、3割は中くらい、3割は深めのトレイリングストップといった感じです。
これはトレンドに追従するにあたりかなり優れた方法だと思います。
強いトレンドが出た時は物凄く大きい利益となりますし弱いトレンドでもそこそこの利益を確保できます。
しかしこれだと長時間画面に張り付かなくてはなりません。(自動でストップを引き上げてくれるトレール注文という機能もありますがテクニカル的な要素を入れれないので実用的ではないです)
トレイリングストップの引き上げ(売りの場合引き下げ)作業が遅れてしまうと収支が結構変わってしまいます。
ですがこれまで書いた方法のように機械的に〇〇pips刻みとかでOCO注文を入れておけば画面に張り付く頻度も減りますしトレイリングストップの玉の比率もかなり小さいので引き上げ作業が遅れても大きな影響はありません。
そんなわけでエントリー後はOCO注文を分割で出しておくというスタイルが私には一番合っていると感じているのでそのようにしています。

デイトレだとすぐ上昇しないと不自然な場面で買っている場合はタイムストップやローソク足の切り下げなどでタイトな途中撤退を考えますので場に張り付きますが、大抵の場合15分おき~1時間おきにチェックすればいいゆとりのあるトレードスタイルです。
スイングの場合だと逆指値や指値でIFD注文、IFDO注文を分割で予め出しておくので知らないうちに約定して利食いが進んでいることもあるくらいです。
自分の生活スタイルにあった手仕舞い方法、かつ検証・シミュレーションで優位性があると判断したやり方をすることが長く続けていくうえで大事だと思います。
参考になれば幸いです。


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